人事
労務管理3士業で解決!多面的労務管理
人事
労務管理立ち読み |
日頃、顧問・コンサルティング・講演などの実務で活躍されている中小企業診断士、社会保険労務士、弁護士の3人の著者が、企業の労務トラブル防止のために、まず中小企業診断士の経営観点からコミュニケーションを中心とした企業風土づくりでトラブル発生の芽をなくし、次に社会保険労務士がトラブルを発生させないためのルール(規程)を紹介し、最後に弁護士がやむなく発生した場合にリスクを最小限に抑えるための事前・事後対策を解説しています。 ■中井嘉樹・古川政明・岡﨑隆彦 共著 |
目次
- はじめに
- 第1章 採用
- 第1節 募集
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 選考と魅力付け
- 社会保険労務士 古川 政明
- 1 魅力的な募集
- 弁護士 岡﨑 隆彦
- 1 面接の留意点
- 2 その他採用の留意点
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 第2節 内定
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 内定辞退防止
- 1 内定出しの前(選考段階)における内定辞退防止策
- 2 内定出しの後における内定辞退防止策
- 社会保険労務士 古川 政明
- 1 内定時の留意点
- 2 提出文書
- 弁護士 岡﨑 隆彦
- 1 内定の意義と重要性
- 2 労働契約の留意点
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 第3節 労働契約
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 秘密保持に関する誓約書
- 1 退職時のリスクヘッジ
- 2 社員教育の一環
- 社会保険労務士 古川 政明
- 1 労働条件明示と変更
- 2 就業規則制定と変更
- 弁護士 岡﨑 隆彦
- 1 就業規則の意義と目的
- 2 就業規則の効力
- 3 就業規則活用のための取扱説明
- 4 経営側におけるワークルール教育の勧め
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 第1節 募集
- 第2章 人事管理
- 第1節 配置・昇・降格
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 人事考課制度(評価制度)の構築と運用
- 1 処遇への反映(査定)
- 2 組織力の向上
- 3 人材育成
- 社会保険労務士 古川 政明
- 1 職場環境
- 2 昇給と昇格
- 弁護士 岡﨑 隆彦
- 1 企業の強力な権限としての人事権
- 2 懲戒権行使との対比について
- 3 人事権濫用の問題
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 第2節 異動
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 人事異動を内示する際のポイント
- 1 人事異動に関する企業人としての考え方や会社のルール・決定プロセス
- 2 今回の人事異動における会社にとっての意味合い
- 3 今回の人事異動がもたらす個人的な価値
- 社会保険労務士 古川 政明
- 1 職場内コミュニケーション
- 2 配置転換・転勤・出向・転籍
- 弁護士 岡﨑 隆彦
- 1 人事異動と合意原則との関係
- 2 配転
- 3 新しい動き
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 第3節 上司の管理
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 生産性を上げるための上司による人事管理
- 1 やるべき仕事が明確になっている
- 2 やる気になっている
- 社会保険労務士 古川 政明
- 1 上司への教育
- 2 ハラスメント防止や使用者責任の砦
- 弁護士 岡﨑 隆彦
- 1 上司の責任論
- 2 上司に対する懲戒処分
- 3 文書の活用の重要性
- 4 コミュニケーションの重要性(竹のたとえ)
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 第1節 配置・昇・降格
- 第3章 労働時間
- 第1節 労働時間の原則
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 生産性の向上
- 1 仕事の指示を受ける段階で、発注者との間に理解のズレがある
- 2 途中段階でのコミュニケーションがおろそかになっている
- 社会保険労務士 古川 政明
- 1 労働時間設定
- 2 法定労働時間の実現方法
- 3 休憩・休日
- 弁護士 岡﨑 隆彦
- 1 労働時間認定論
- 2 長時間労働の問題
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 第2節 労働時間の把握・管理
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 能力開発の促進
- 社会保険労務士 古川 政明
- 1 労働時間管理
- 2 残業手当(法定外と所定外等)
- 弁護士 岡﨑 隆彦
- 1 ダラダラ残業防止
- 2 悪質な賃金不払の例と予防の留意点
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 第3節 管理監督者・みなし労働時間制
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 管理者の育成
- 1 全体最適と部分最適
- 2 組織目的と手段
- 社会保険労務士 古川 政明
- 1 管理・監督者
- 2 労働時間が算定し難いとは
- 弁護士 岡﨑 隆彦
- 1 管理監督者制度
- 2 経営改善の方向
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 第1節 労働時間の原則
- 第4章 健康管理
- 第1節 勤務状況の把握
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 疲労感と疲労
- 社会保険労務士 古川 政明
- 1 健康診断の活用
- 2 危険予知
- 弁護士 岡﨑 隆彦
- 1 健康管理の問題
- 2 メンタルヘルスと健康管理の問題
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 第2節 メンタルヘルス
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- アブセンティーイズムとプレゼンティーイズム
- 社会保険労務士 古川 政明
- 1 ストレスチェック
- 2 心の耳
- 弁護士 岡﨑 隆彦
- 1 うつとストレスチェック
- 2 健康診断の問題点
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 第3節 休職・復職
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 働きやすい職場作りと安心を与えるマネジメント
- 社会保険労務士 古川 政明
- 1 休職規程
- 2 リハビリ勤務、ならし勤務
- 弁護士 岡﨑 隆彦
- 1 制度設計と対応の問題点
- 2 産業医の活用の問題点
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 第1節 勤務状況の把握
- 第5章 服務規律
- 第1節 パワーハラスメント
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- ストロークとディスカウント
- 社会保険労務士 古川 政明
- 1 パワーハラスメント防止のために
- 2 パワーハラスメント防止規程
- 弁護士 岡﨑 隆彦
- 1 パワハラの問題点
- 2 パワハラ研修の内容
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 第2節 セクシュアルハラスメント
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 健全で活気にあふれた職場作り
- 社会保険労務士 古川 政明
- 予防と就業規則
- 弁護士 岡﨑 隆彦
- 1 セクハラについて
- 2 マタハラ問題
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 第3節 懲戒
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 社員教育・管理者教育で予防する
- 1 不祥事を起こすことにより大きな不利益を被ることを折りにふれ啓蒙する
- 2 小さな芽のうちに摘む
- 3 上司の厳正な姿勢
- 社会保険労務士 古川 政明
- 1 就業規則による列挙明示
- 2 懲戒規程
- 弁護士 岡﨑 隆彦
- 1 懲戒の意義
- 2 懲戒処分活用の基礎知識
- 3 予防的ストッパーとしての懲戒処分の位置付け
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 第1節 パワーハラスメント
- 第6章 退職・解雇
- 第1節 自己都合退職
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 辞められ強い組織を作る
- 1 業務の見える化
- 2 教育体制の構築
- 社会保険労務士 古川 政明
- 1 いわゆる依願退職と辞職
- 2 任意退職の手続規定
- 弁護士 岡﨑 隆彦
- はじめに(任意退職の模索)
- 1 退職勧奨
- 2 交渉の留意点
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 第2節 普通・整理・懲戒解雇
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- キャリア開発のための二つのポイント
- 1 自己啓発の大切さ
- 2 持ち運び可能スキルを意識する
- 社会保険労務士 古川 政明
- 1 解雇規定
- 2 解雇手続き
- 弁護士 岡﨑 隆彦
- 1 解雇の種類
- 2 解雇権濫用論
- 3 解雇の上手な方法
- 4 不当解雇の対応策と予防策
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 第3節 解雇制限
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 子供を育てる女性が働きやすい職場作り
- 1 組織としての課題
- 2 育休復帰する本人の課題
- 3 管理者の課題
- 社会保険労務士 古川 政明
- 1 解雇制限
- 2 紛争予防のために
- 弁護士 岡﨑 隆彦
- 1 成績不良者(不良社員)の解雇の問題
- 2 解雇のその他の問題
- 中小企業診断士 中井 嘉樹
- 第1節 自己都合退職
はじめに
現在、企業は人的資源に関して大きく2 つの困難に直面しています。ひとつは、少子高齢化に伴う労働人口の減少による人材の確保と定着の困難で、もう1 つは、労働者の権利意識の高まりによるマネジメントの対応の難しさです。そして、この2 つの流れはますます激しさを増し、将来にわたって止まることはないだろうと思われます。
これに対して各企業は、人的資源に対するさらなる高度なマネジメントスキルが要求されると同時に、上司・人事部門・法務部門が連携を取りながら段階的に対応し、組織的に進めて行く体制に転換することが急務です。そして、上司・人事部門・法務部門が実際にお互いの役割を理解し合い、協力する必要があります。
本書の意図するところは、以下の3 つにまとめることができます。
(1) できれば法的な問題にならないように、可能な限りコミュニケーションや指導で回避する。
(2) 将来にやむを得ず法的な争いになった場合でも、会社ができるだけ不利にならないように、事前にポイントを理解しながら対応を進める。
(3) 問題が発生したら、徹底的にその原因を究明して2 度と問題が発生しないように予防的措置をとる。
以上を3 士業の立場から考えるものです。
本書における3 士業の立場(視点)としては下記になります。
(1) 中小企業診断士としては、「上司と部下」の立場からの、現場における指導育成とコミュニケーション(現場での指導育成によって、問題を解決・おさめる)
(2) 社労士としては、「労使」関係に立脚した、人事等の管理部門における取るべき対応と視点(法令面を満たしながら、それでいて問題を大きくしないように内々で収める)
(3) 弁護士としては、将来の「係争」関係を想定し、法的に不利にならないようにするための具体的対応と予防策の提案
同じテーマであっても上記のそれぞれの視点から見ることにより、多面的に問題意識を持ち、多様な視点から考えていただくことができるものと考えます。その意味で、タイトルの「多面的」労務管理をご理解いただければ幸いです。
本書の構成は、テーマ毎に、3 士業がそれぞれの立場から現実的・実践的な対応策を示すものです。
例として、テーマ総数18( 6 分野で各3 テーマ)を挙げています。
本書は、当初から上記の目的と視点で企画しまとめられていますが、「多面的」という本書の特徴を活かすため、執筆に際してはあえて執筆者間の事前調整はせず、それぞれの観点や切り口から記されたものになっています。
専門家も立場が違えば、ものの見方や考え方、問題への取り組み方が異なりますし、同業であっても専門家の個性により問題の分析や処理の手法も様々です。本書は、経営改善のための方向を示そうとするものですが、あくまでも一例とお考えください。
大切なことは、あるべき経営改善の方向について経営者・管理者の皆さまに自分の頭でしっかり考えていただき、多様な選択肢を挙げて柔軟に取り組んでいただくことと考えます。その際には、本書の多面的な視点がお役に立てるものと確信します。本書が皆様の経営改善の試みに対しまして、少しでも刺激や示唆を与えることができるものであれば、執筆者として幸甚に存じます。
最後に、テーマ設定への助言を含めて常に編集上のお世話をしていただいた株式会社産労総合研究所出版部 経営書院の皆様に感謝を申し上げます。
中井嘉樹、古川政明、岡﨑隆彦
関連書籍
ご購入はこちら
日頃、顧問・コンサルティング・講演などの実務で活躍されている中小企業診断士、社会保険労務士、弁護士の3人の著者が、企業の労務トラブル防止のために、まず中小企業診断士の経営観点からコミュニケーションを中心とした企業風土づくりでトラブル発生の芽をなくし、次に社会保険労務士がトラブルを発生させないためのルール(規程)を紹介し、最後に弁護士がやむなく発生した場合にリスクを最小限に抑えるための事前・事後対策を解説しています。 ■中井嘉樹・古川政明・岡﨑隆彦 共著 |