実務家のための
労働判例の読み方・使い方

人事

労働法実務・判例
実務家のための 労働判例の読み方・使い方

■八代 徹也・著
■四六判・162頁
■税込価格 1,540円
■ISBN 978-86326-066-5 C2032
■発行日 2010年5月

目次

まえがき

第1部 労働事件を判例から学ぶ
  第1章 判例とは
   第1節 はじめに
   第2節 判例と判決、判決書
   第3節 判例を読むうえでの注意点
   第4節 判例のもつ実務への具体的影響と法改正
   第5節 最高裁判例のもつ意味
   第6節 判例解説を読むうえでの注意点
   コラム 判例を検索してみる
   コラム 判例を見ることができる媒体あれこれ
  第2章 判決書を読む
   第1節 判決書(判決文)ができる仕組み
   第2節 判決書全体の構成
    1 判決年月日と事件番号
    2 当事者の表示
    3 主文
    4 事実及び理由
   コラム 判決書はどんなもの?
   第3節 控訴審の判決書
    1 控訴審の役割
    2 控訴審の判決書
   第4節 上告審の判決書
    1 上告審の役割
    2 上告審の判決と決定
  第3章 仮処分事件と決定書
   第1節 仮処分命令について
   第2節 仮処分事件の決定書のルール
    1 事件の表示
    2 当事者の表示
    3 主文
    4 事実及び理由
    5 裁判所の判断
   コラム 法廷をのぞいてみる

第2部 労働事件の当事者になったら
  第1章 本案事件と仮処分事件
   第1節 はじめに
   第2節 裁判とは
   第3節 仮処分とは
   コラム 労働委員会とは
   コラム 労働審判
  第2章 仮処分申立から裁判へ
   第1節 はじめに
   第2節 仮処分事件の流れ
    1 仮処分の申立
    2 仮処分事件の経過
    3 仮処分における和解手続き
    4 保全の必要性について
    5 保全の必要性の具体的内容
   第3節 本案裁判の流れ
    1 訴訟の提起
    2 訴訟の経過
    3 訴訟にかかる期間
   コラム 裁判の手続き、流れ
  第3章 労働事件に関する「お金」をめぐる諸問題
   第1節 裁判にかかる費用
    1 裁判所に納める費用
    2 弁護士に支払う費用
   第2節 弁護士費用をめぐる諸問題
   コラム 弁護士に依頼する
   第3節 仮払金をめぐる諸問題
   第4節 損害賠償金をめぐる諸問題
   第5節 和解金や解決金をめぐる諸問題

第3部 資料編
  [1] 訴状
  [2] 答弁書
  [3] 地位保全及び賃金仮払仮処分命令申立
  [4] 控訴状
  [5] 上告受理申立書

はじめに

本書は,裁判官や弁護士,大学等の研究者といった法律専門家ではない一般の方が判例(特に労働判例)を読む場合に知っておいてもらいたい約束事や裁判をめぐる一連の手続きなどについて,出来る限りやさしく,かつ,分かりやすく説明することを目的としています。したがって,理論的なことよりもなるべく実務に即して説明したつもりです。
本書の成り立ちは,「労働判例の読み方と利用の仕方」と題して私が『労働判例』(産労総合研究所発行)誌上に連載したものを基本として,それに加筆したものです。労働判例の読み方についてやさしく書くことがいかに難しいかは連載中にしみじみ感じておりました。
連載終了後,せっかく連載したのですから加筆して1冊の本にしませんかという日本労働研究機構出版部の方からのおさそいで2002年に初版を発刊致しました。

改訂版にあたって

この度初版発刊から8年が経過し解雇権の濫用法理が労働契約法に成文化されたり,労働審判制度が創設されるなど,労働判例を取りまく状況に変化が生じたため,産労総合研究所出版部経営書院より改訂版を発刊することとなりました。
同書院にはいろいろご助言いただきました。御礼申し上げます。
冒頭に記載した本書の目的は本改訂版でも同じです。それがどこまで達成できたかはわかりませんが,法律専門家でない方が本書を読んで参考になったと思ってくださればこれに優る幸せはありません。
平成22年4月
弁護士 八代徹也

著者紹介

■八代 徹也(やしろ てつや)・・・弁護士。1953年東京生まれ。1978年早稲田大学法学部卒業。農林水産省入省。1979年同省退省。司法修習生となる。1981年弁護士登録。1987年飯野・八代法律事務所開設。現在(飯野・八代・堀口法律事務所)に至る。経営法曹会議常任幹事、新司法試験(労働法)考査委員(平成18年~20年)

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