医療
看護管理
医療
看護管理
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看護管理の「いろは」も知らない著者が、いきなり管理職という仕事を請け負うことになり、遭遇してきた苦難をその時々に考察し乗り越えてきたプロセスを書きあらわしたものです。物事がうまくいかなかったことが失敗ではなく、それを辞めてしまったときが失敗であり、次ぎに改善すべき事柄を明確にしてくれる「宝の山」と考え行動した具体的事例を紹介し、結果とプロセスが自分はもちろん周囲も共に納得のいく、「自分流の看護管理」を解説しています。 ■小宮美恵子 著 |
本書は、看護管理の「いろは」も知らない私が、いきなり管理職という仕事を請け負うことになり、遭遇してきた苦難をその時々に考察し、乗り越えてきたプロセスを書き記したものです。書籍化に当たり、『師長主任業務実践(現『看護のチカラ』)』(産労総合研究所)で連載をした「中小規模病院の組織づくり・人づくり」、「おせっかい看護部長の腕まくり」を加筆、修正し、再構成いたしました。連載は「いろいろな看護管理」がある中で、自分流の看護管理を書きおろしたものです。
中小民間病院の看護部長の日常に焦点を当て、民間病院ならではの問題を、実話をとおして描きました。理論や原理は少し棚上げして、身近な問題に「人と人がどのように関係し合っているのか」を少し深く考えて行動した自分流の看護管理は、幸運にも皆さんから共鳴を受け、連載をきっかけに組織改革や組織運営に悩みを抱える管理職の方々との交流が始まり、思いがけない人脈という財産を得ました。
あらためて看護管理職に就いてからの15年を回想してみますと、過去も現在も波乱万丈、一難去ってまた一難の、「看護管理者修行」に尽きるものでした。
私の看護管理者としてのキャリアは、踏み入れたことのなかった民間病院で幕が上がりました。育ってきた看護現場の環境とは風土も習慣も大きく異なる空気の中で、「異色の人間」として扱われることも多々ありました。しかし、看護職としての気品や品格など無縁とも思える群れの中から逃げ出すこともせず、良くも悪くも人間らしさをむき出しにした人間模様とその成り立ちをくみ取りながら、誇り高くあるべき看護職の姿や姿勢について考え続けてきました。これは、私にとって貴重な経験です。
社会の一つのくくりである組織の一人として、そして専門職と呼ばれる看護職の一人として、人が人を看ること、人が人を育てることに対する厄介な関係性に大きな不安を抱き、それでもその厄介な人に助けられ、支えられて自分自身の成長と成果をつかんできたことは、私自身が「生きた証」と言い換えられるほどの、誇りとやりがいを授かることとなりました。
「継続は力なり」のことわざに習い、「昨日より今日、今日より明日」と一歩一歩の進歩に賭けてきたことが、今の私を築いたと思うのです。たくさんの失敗がありましたが、物事がうまくいかなかったことが失敗ではなく、それを辞めてしまったときが失敗というべきなのだと、自分に言い聞かせてきました。失敗というのは、次に改善すべき事柄を明確にしてくれる「宝の山」と考えたことが、ポジティブな発想を生みだしてきたと思うのです。
本書は誰にでもできる、ごくごく当たり前の取り組みばかりを掲載していますが、私が皆さんに最も伝えたいことは、「取り組んだ結果は、自分はもちろん、周囲も共に納得のいくものであるべきであり、さらにはプロセスを通じで受け止めることが最も大切だということ」です。それが私にとって看護管理の全てに心掛けてきた「自分流の看護管理」であることを申し添えておきたいと思います。
第3章の実践事例においては、まだまだ未熟な経緯や結果でもありますし、着手できていない課題もありますが、今後も泣いて笑って、さまざまな人と人の良好な関係にこだわり続ける看護管理を実践していきたいと考えています。
どの章からでも読めるように構成しましたので、時間を貴重なアイテムとしている忙しい皆さまにとって、少しでも日常の一助となれば幸いです。
小宮 美恵子
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看護管理の「いろは」も知らない著者が、いきなり管理職という仕事を請け負うことになり、遭遇してきた苦難をその時々に考察し乗り越えてきたプロセスを書きあらわしたものです。物事がうまくいかなかったことが失敗ではなく、それを辞めてしまったときが失敗であり、次ぎに改善すべき事柄を明確にしてくれる「宝の山」と考え行動した具体的事例を紹介し、結果とプロセスが自分はもちろん周囲も共に納得のいく、「自分流の看護管理」を解説しています。 ■小宮美恵子 著 |