民間のシンクタンク機関である産労総合研究所(代表・平盛之)が発行する定期刊行誌「賃金事情」(編集長・吉田貴子)では、賃金の動向に関して、インターネットアンケートによる個人調査を行いました。このほど、調査結果がまとまりましたので、ご報告いたします。
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調査結果のポイント
(1)今年、勤務先の企業で春闘が「あった」と答えた人は全体の約4割。
3,000人以上企業の20.0%、
20歳代の26.8%は「春闘があったのかどうかわからない」。
(2)今年の月給に「変化なし」は49.5%。「月給が上がる」人は24.0%、
「下がる」人は13.5%
(3)ボーナスも「変化なし」が最多で45.5%
(4)「上がるなら、月給とボーナスのどちらが上がってほしいか」とたずねると、
9割が「月給が上がってほしい」と回答
(5)給料が上がった場合の使い道は、「なるべく貯金したい」が最も多く34.0%
(6)20歳代から60歳代までの各年齢層ごとに、働きぶりと賃金水準とが見合っているか
どうかをたずねると、いずれの世代でも約6割が「働きぶりに対し賃金が低い」と回答
調査要領
【調査名】 「2013年、あなたの賃金は変わりましたか?」(賃上げに関するインターネット調査)
【調査時期】2013年5月
【調査方法】gooリサーチのインターネットアンケートによる個人調査
【調査対象】従業員100人以上規模の企業に勤務する20~60歳代の正社員200人
調査結果の概要
(1)会社で2013年の春季労使交渉はありましたか?
20代の26.8%は「春闘があったのかどうかわからない」
「今春、勤務先の企業で春闘があったかどうか」については、「あった」「なかった」ともに約4割。勤務先が3,000人以上企業の人の20.0%、20歳代の26.8%は「春闘があったのかどうかわからない」。
表1 勤務先の従業員規模、年齢区分および組合の有無別にみた春季労使交渉の実施状況
(2)今年、あなたの月給に変化はありますか?
約半数が、月給に変化はない
「今年、あなたの月給(月例賃金)に変化はありますか?」とたずねると、企業規模、組合の有無を問わず、「変化なし」が大勢を占めた。年齢区分別では、20歳代、30歳代で「上がる」が比較的高くなり、ともに36.6%だった。
表2 勤務先の従業員規模、年齢区分および組合の有無別にみた「今年の月給」
(3)今年、あなたのボーナスに変化はありますか?
今年のボーナスに「変化なし」45.5%
「今年、あなたのボーナス(賞与・一時金)に変化はありますか?」という質問に対しても、やはり「変化なし」が最多となった。
表3 勤務先の従業員規模、年齢区分および組合の有無別にみた「今年のボーナス」
(4)上がるなら、月給とボーナスのどちらに上がってほしい?
9割が「ボーナス」よりも「月給」が上がってほしい
「給料が上がるなら、月給とボーナスとどちらに上がってほしいですか」という設問では、企業規模、年齢区分を問わず、圧倒的に「月給」であった。
表4 勤務先の従業員規模および年齢区分別にみた「給料が上がるなら月給とボーナスのどっち?」
(5)給料が上がったらその使い道は?
「なるべく貯金したい」が最も多く34.0%
次に「給料が上がったら何に使いたい?」とたずねると、「買い物、外食」「レジャー」は60歳代を除けば概して低く、ゆとりは感じられない。最も多いのは「なるべく貯金」で、生活防衛に備えようとする意識の強さがみてとれる(選択肢から1つのみ選択して回答)。
表5 勤務先の従業員規模および年齢区分別にみた「賃金上昇分の使い道」
(6)働きぶりに見合った賃金をもらっているか?
約6割が「働きぶりに対し賃金が低い」と考える
各世代の賃金が働きぶりに見合った水準にあると思うかについて聞いてみた。各年齢区分ごとに「回答者自身がその区分にあてはまる」人と「そうでない」人に分けて集計してみると、どの年代でも6割前後の人が「(自分の世代の)働きぶりに対し賃金が低い」と考えていることがわかった。
表6 年齢区分別にみた「働きぶりと賃金」
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※ 本調査結果は「賃金事情」2013年6月20日号にて掲載しています。
本リリースに関する取材などのお問い合わせ
株式会社産労総合研究所「賃金事情」編集部 担当:吉田,黒田
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