産労総合研究所は、2010年度版、役員報酬の実態に関するアンケート調査を行った。
本調査は、2005年、2006年、2008年に続く4回目の調査となる。
調査要領
【調査対象】上場企業1,500社 非上場企業2,000社
【調査時期】2010年9~11月
【回答状況】上場企業67社、非上場企業84社の合計151社。
集計対象企業の内訳
調査結果の概要
役位別にみた役員報酬の水準
役員報酬の水準は、賞与の有無、従業員規模、上場・非上場の区分によってバラツキがあるが、回答企業における、年間報酬の平均は以下の通りとなっている。
会長 3,291万円
社長 3,181万円
副社長 3,482万円
専務取締役 2,254万円
常務取締役 1,774万円
取締役 1,584万円)
図6 役位別・賞与の有無別にみた役員報酬の水準(平均年収)
【別表】 役員の年間報酬総括表(実額と指数)
役員の国内出張旅行費の取り扱い
社長の、新幹線グリーン車の使用については、認めるが最も多く62.3%、条件付きで認めるが9.3%、認めないが13.2%、無回答が15.2%となっている。
また、航空機の高級シートについては、認めるが最も多く41.1%となっているがグリーン車に比べると割合は減っている。条件付きで認めるが16.6%、認めないが23.8%、無回答が18.5%となっている。
表23 出張におけるグリーン車や高級シートの取扱い
役員退任後の処遇
役員を退任後、なんらかの処遇を行う場合は、「常勤の顧問・相談役等になる」が最も多く26.5%、次いで「非常勤の顧問・相談役等になる」が22.5%、「グループ会社の役員になる」が8.6%、「再度、社員として雇用する」が2.0%。特に処遇しないと回答した2割の企業を除けば、残る約8割の企業は、退任後についても何かしらの対応を行っているのが実態のようである。
顧問・相談役の平均年間報酬は、常勤が675万円、非常勤で498万円となっている。
図9 役員辞任後の年間報酬
※2008年度との比較データや、慰労退職金に関するデータ、役員賞与を支給する企業の割合などの詳細情報については、産労総合研究所発行の雑誌「賃金事情」2011年1/5・20号にて、30ページに渡って掲載しています。