2024年度 決定初任給調査

人事

決定初任給調査
掲載している雑誌:賃金事情

初任給を引き上げた企業は過去最高75.6%
増加率は32年ぶりの全学歴3%超
大卒(一律)3.85%、高卒(一律)4.58%

人事労務分野の情報機関である産労総合研究所(代表・平盛之)は、このたび「2024年度 決定初任給調査」を実施しました。本調査は1961(昭和36)年から毎年実施しています。

2024年4月入社者の初任給を「引き上げた」企業は、前回2023年度調査比7.5ポイント増の75.6%に上った。同様の問いを設けた1997年度調査以降で最も高く、27年ぶりに7割を超えた。引き上げた理由(複数回答)は「人材を確保するため」が3.3ポイント増の73.5%で最も多かった。また、2024年度決定初任給額(2024年4月に確定した初任給)は、大学卒(一律)が22万5,457円、高校卒(一律)が18万8,168円。対前年度増加率は1992年度以来32年ぶりに、全学歴で3%超となった。

 

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2024年度 決定初任給調査
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主なポイント

(1)初任給の引上げ状況

  • 2024年4月入社者の初任給を「引き上げた」企業は75.6%(前回2023年度調査68.1%)に上った。同様の問いを設けた1997年度調査以降で最も高く、27年ぶりに7割を超えた。他方、「据え置いた」は16.5%(同28.9%)、「引き下げた」は前回に続きなかった。
  • 初任給を引き上げた理由(複数回答)は、「人材を確保するため」が前回比3.3ポイント増の73.5%で最も多かった。

(2)初任給額の水準

  • 2024年度学歴別初任給額水準は下表のとおり。
  • 大学卒と高校卒は、一律に初任給額を決定している場合と、職種やコース(総合職と一般職、広域勤務と地域限定勤務など)で初任給額に格差を設けている場合の「最高額」と「最低額」を聞いている。

グラフ

(3)付帯調査 新入社員の夏季賞与

  • 新入社員に「何らかの夏季賞与を支給する」企業は77.5%、「支給しない」は12.2%だった。支給方法は「一定額(寸志等)を支給」が65.7%で最も多かった。
  • 学歴別夏季賞与・一時金の平均支給額は、大学卒が9万4,112円、高校卒が7万5,076円。

 

調査要領

当社会員企業および上場企業から一定の方法で抽出した3,000社に対し、2024年4月に調査票を郵送し回答を依頼。369社の回答を得た。
【調査名】 「2024年度 決定初任給調査」
【調査機関】産労総合研究所
【調査対象】当社の会員企業および上場企業から一定の方法で抽出した3,000社。
【調査時期】2024年4〜5月
【調査方法】郵送によるアンケート調査方式
【回答状況】締切日までに回答のあった369社について集計。集計企業の内訳は別表を参照。
【留意点】 決定初任給とは、本採用後支払われる所定内賃金月額。通勤手当、時間外手当等は除く。前年度比は、回答企業における2023年度決定初任給との比較。

図表

 

調査結果概要

(1)初任給の引上げ状況

1. 初任給の改定状況

2024年4月入社者の初任給を「引き上げた」企業は、前回2023年度調査比7.5ポイント増の75.6%に上った。同様の問いを設けた1997年度調査以降で最も高く、27年ぶりに7割を超えた。区分別にみると、規模別では「1,000人以上」90.2%(前回82.2%)、「300~999人」83.8%(同75.0%)、「299人以下」66.0%(同54.5%)、産業別では製造業84.6%(同76.2%)、非製造業71.1%(同62.2%)。全区分で前回を10ポイント近く上回っている。他方、「据え置いた」は16.5%(同28.9%)、「引き下げた」は前回に続きなかった。

初任給引上げ状況の推移(1997年度調査以降)

グラフ

 

2. 初任給改定の理由

初任給を引き上げた理由(複数回答)は、「人材を確保するため」が前回2023年度調査比3.3ポイント増の73.5%で最も多かった。次いで「在籍者のベースアップがあったため」が5.6ポイント減の43.4%、「初任給の据置きが長く続いていたため」が4.7ポイント減の7.5%などとなっている。
また「据え置いた」理由(同)は、「現在の水準でも十分採用できるため」が14.4ポイント減、「在籍者のベースアップがなかったため」が7.7ポイント減で、ともに27.9%だった。一方、「新卒を採用しなかったため」は11.8ポイント増の26.2%となった。

引き上げた理由・据え置いた理由(複数回答)

グラフ

 

(2)初任給額の水準

2024年度決定初任給は、1992年度以来32年ぶりに全学歴で前年度から3%超の増額となった。主な学歴別初任給額の水準は、職種やコースなどで初任給額を区分していない場合(一律)、大学卒が22万5,457円(前年度比3.85%増)、高校卒が18万8,168円(同4.58%増)となった。規模別にみると、大学卒は「1,000人以上」24万1,082円(同5.50%増)、「300~999人」22万9,423円(同4.13%増)、「299人以下」21万8,118円(同3.13%増)、高校卒は「1,000人以上」19万2,686円(同5.67%増)、「300~999人」19万2,392円(同4.69%増)、「299人以下」18万3,698円(同4.03%増)となっている。

2024年度 決定初任給額の水準

グラフ

大学卒(一律)における初任給額の対前年度増加率の推移(1992年度以降)

グラフ

 

新入社員の夏季賞与(2024年度 決定初任給付帯調査)

(3)新卒入社者の夏季賞与・一時金の支給状況と支給額

本調査では付帯調査として、新入社員への夏季賞与の支給状況および支給額についても尋ねている。4月入社の新卒入社者の場合、入社年度の夏季賞与の支給日には在籍しているものの、算定期間としてはわずかか、算定期間を過ぎた後に入社するという場合が多い。
新入社員の夏季賞与の支給状況は「何らかの夏季賞与を支給する」が77.5%、「支給しない」が12.2%だった。「何らかの夏季賞与を支給する」企業の支給方法をみると、「一定額(寸志等)を支給」が最多の65.7%、次いで「在籍期間の日割計算で支給」18.2%、「日割以外の一定割合で支給」10.5%などとなっている。
平均支給額は、大学卒9万4,112円、高校卒7万5,076円だった。支給額の分布をみると、大学卒・高校卒ともに「5万~10万円未満」(大学卒43.0%、高校卒46.3%)が最も多かった。

新卒入社者の夏季賞与・一時金の支給状況

グラフ

夏季賞与・一時金の支給金額(何らかの夏季賞与・一時金を支給する企業)

グラフ

 

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本リリースに関する取材などのお問い合わせ

株式会社産労総合研究所 「賃金事情」編集部   担当:松田、石田
TEL 03(5860)9791   MAIL edt-a@sanro.co.jp

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