2016年度 決定初任給調査

人事

決定初任給調査
掲載している雑誌:賃金事情

引上げ企業は前年からわずかに減少
初任給額は全学歴で前年を上回るも上昇幅は微増

人事労務分野の情報機関である産労総合研究所(代表・平盛之)は、このたび「2016年度 決定初任給調査」を実施しました。本調査は1961(昭和36)年より毎年実施しています。

調査の結果、2016年度の決定初任給(2016年4月に確定した初任給)の水準は、大学卒(一律)で204,703円、高校卒(一律)で164,717円となった。昨年と比較し、1%未満の微増ではあるものの、すべての学歴区分で前年を上回った。対前年増減率の伸び率は、製造業に比べ、非製造業のほうが高くなっている。
「初任給を引き上げた」企業は、前年の37.9%から4.1ポイント減の33.8%。時系列でみると、10年前の2006年と同程度の割合であった。なお、引き上げた企業の平均引上げ額は、大学卒(一律)2,470円、高校卒(一律)2,279円であった。

 

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2016年度 決定初任給調査
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主なポイント

(1)初任給の引上げ状況

  • 2016年4月入社者の初任給を「引き上げた」企業は33.8%(昨年調査37.9%)、「据え置いた」企業は63.4%(同57.6%)、「その他」2.1%、「無回答」0.7%。なお、「引き下げた」企業はなかった。
  • 初任給を引き上げた理由は、「人材を確保するため」49.0%、「在籍者のベースアップがあったため」48.0%、「初任給の据え置きが長く続いていたため」2.0%。

(2)初任給額の水準

  • 職種やコースによる格差がなく、一律に初任給を決定している場合、大学卒は204,703円、高校卒は164,717円。
  • 職種やコース(総合職と一般職、広域勤務と地域限定勤務など)で初任給額に格差を設けている場合、大学卒の「最も高い額」は212,919円、「最も低い額」190,025円。高校卒では「最も高い額」175,322円、「最も低い額」164,769円。

 

調査要領

全国1・2部上場企業と過去に本調査に回答のあった当社会員企業から任意に抽出した3,000社に対して、2016年4月に調査票を郵送で依頼し、290社の回答を得た。

【調査名】 「2016年度 決定初任給調査」
【調査対象】全国1・2部上場企業と過去に本調査に回答のあった当社会員企業から任意に抽出した3,000社
【調査時期】2016年4月~5月
【調査方法】郵送によるアンケート調査方式
【回答状況】締切日までに回答のあった290社について集計。集計企業の内訳は別表を参照
【留意点】 決定初任給とは、本採用後支払われる所定内賃金月額。通勤手当、時間外手当等は除く。
      前年比は、回答企業における2015年決定初任給との比較

図表

 

調査結果概要

(1)初任給の引上げ状況

初任給の決定状況

2016年4月入社者の初任給を引き上げた企業は33.8%と、前年の37.9%から4.1ポイント減となった。時系列でみると、ちょうど10年前の2006年と同水準の引上げ率となっている(2006年調査:引上げ企業割合32.2%、賃上げ率1.78%)。引き上げた企業の内訳をみると、全学歴を対象に引き上げた企業は79.6%、一部学歴を対象に引き上げた企業は19.4%で、前年と比較すると、全学歴を対象に引き上げた企業が約10ポイント減っている。
一方、据え置いた企業は63.4%と、前年の57.6%から5.8ポイント増加した。なお、今年度の調査では引き下げた企業はなかった。
企業規模別に初任給を引き上げた企業をみると、1,000人以上規模が最も多く56.8%、産業別では製造業が40.5%、非製造業が29.6%であった。

 

図表1 初任給の引き上げ状況

グラフ

 

初任給改定の理由

初任給を引き上げた理由をみると、5割近くの回答があったのが「人材を確保するため」49.0%と「在籍者のベースアップがあったため」48.0%。
据え置いた理由をみると「現在の水準でも十分採用できるため」50.5%が最も高く、前年を7.7ポイント上回った。この傾向は大企業と製造業で顕著に表れており、大企業では18.5ポイント、製造業では17.0ポイント前年を上回った。(複数回答)。

 

図表2 引き上げた理由と据え置いた理由(複数回答)

グラフ

 

(2)初任給額の水準

2016年度の初任給額をみると、職種やコースによる格差がなく、一律に初任給を決定している企業の場合、大学卒は204,703円、高校卒は164,717円である。
今回の調査では、職種やコース(総合職と一般職、広域勤務と地域限定勤務など)で初任給額に格差を設けている場合、各企業の「最も高い額」と「最も低い額」をたずねている。大学卒の「最も高い額」は212,919円、「最も低い額」190,025円。高校卒では「最も高い額」175,322円、「最も低い額」164,769円である。

 

図表3 2016年度決定初任給

グラフ

 

新入社員の夏季賞与(2016年度決定初任給付帯調査)

89.7%が夏季賞与を支給
支給額は大学卒88,905円、高校卒71,950

【新卒入社者の夏季賞与・一時金の支給状況と支給額】

4月入社の新卒入社者の場合、入社年度の夏季賞与の支給日には在籍しているものの、算定期間としてはわずかか、あるいは算定期間を過ぎた後の入社という場合が多い。そのなかで、何らかの形で夏季賞与を「支給する」企業は89.7%、「支給しない」7.6%、「その他の取扱い」は3.1%となった。
「何らかの夏季賞与を支給する」企業の支給方法をみると、最も多いのは「一定額(寸志等)」の60.0%で、「在籍期間の日割り計算で支給」16.5%、「日割り以外の一定割合で支給」13.8%、「日割り+一定割合または一定額」1.9%と続く。
支給額の平均をみると、大学卒88,905円、高校卒71,950円となっている。大学卒では、2015年(88,879円)と同水準、高校卒では5,419円増加した。

 

図表4 新卒入社者の夏季賞与・一時金の支給状況

グラフ

 

図表5 夏季賞与・一時金の支給金額(夏季賞与・一時金を支給する企業)

グラフ

 

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※詳細データは「賃金事情」2016年7月5日号に掲載しています。

 

本リリースに関する取材などのお問い合わせ

株式会社産労総合研究所 「賃金事情」編集部   担当:伊関、黒田、境野
TEL 03(5319)3601   MAIL edt-a@sanro.co.jp


※上記電話番号はリリース発表当時のものです。お問い合わせは 03-5860-9791 にお願いします。

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