定期刊行誌「賃金事情」では、毎年、春季賃金交渉後の賃金実態を把握し、来期の賃金交渉のための基礎資料とするために、「モデル賃金・モデル年間賃金調査」を行っている。
このほど、その2016年度調査の結果がまとまったので、その概要を紹介する。
調査要領
調査結果ハイライト
(1)2016年度 モデル賃金
賃上げ状況
調査によると、2016年の賃上げ状況は、「賃上げあり」が86.5%で、うち「定昇のみ」48.0%,「ベースアップを実施」は38.5%だった。前年の83.3%と比べると、賃上げした企業は増加したことになるが、ベアを実施した企業は減少した。ただし、定昇を実施した企業が5割近くに増えていることにも留意が必要である。
表1 賃金改定状況の推移(全産業・規模計)
年齢ポイント別にみた上昇率
大学卒・総合職の所定内賃金の上昇率は0.4%~0.7%で、22歳・27歳・35歳・45歳・55歳が0.7%、25歳と30歳が0.4%、40歳と50歳が0.6%となった。昨年、一昨年と異なり、1.0%を越えるポイントはなくなったが、半数のポイントで0.7%となっており、どの年齢ポイントも同じような上昇傾向が見受けられた。ただし、、基本賃金では0.1%~0.6%と、所定内賃金よりも低めの分布となっており、ポイントごとのばらつきも大きい。
表2 モデル賃金の上昇率
(2)2016年度 モデル年間賃金
賞与・一時金の支給状況
2015年年末は672,429 円、2.14カ月、2016年夏季は651,440円、2.12カ月であった。前年の結果と単純に比較すると、年末は2,357円の減少、夏季は8,896円の減少となった。
表3 賞与・一時金の支給状況の推移(全産業・規模計)
年間賃金の動向
年間賃金を主な年齢でみると、大学卒・総合職は、25歳361万円、30歳471万円、35歳557万円、40歳656万円、50歳861万円である。2015年調査と比べると、若年層はほぼ変わらないが、大学卒、高校卒ともに年齢があがるにつれて前年よりも増加している。年間賃金に占める賞与・一時金の割合は、25歳時で、大学卒は25.6%、高校卒では25.0%であった。また、支給月数も、昨年に続いて、大学卒は25歳以降4カ月を超えており、以前の水準へと復調してきている。
表4 モデル年間賃金と賞与・一時金比率および支給月数
※ 詳細データは「賃金事情」2016年10月20日号にて掲載しています。
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