大勢を相手にした説明やプレゼンテーションの場合、聴衆がまったく見えない。その場合、2つの留意点がある。
まず1つは、自分のペースで話しすぎてしまうこと。特に聴衆の空気を読んで、臨機応変にアドリブを入れたり、話の構成を組み換えたりするタイプの人は、注意が必要だ。
もともと話上手なので、話していくうちにノってきてついつい話が長くなったり、熱くなったりしやすい。いつもよりも間をとってスピードも抑えながら話すことで、冷静さを保ちながら、必要なメッセージを届けることができる。
逆にカメラに向けてのプレゼンテーションが苦手な人は、棒読みなど表現力に乏しい話し方になってしまう。この場合の対策は、「伝わっていると実感できる観客」をカメラのレンズの延長上に置くことだ。こちらの話に笑顔でうなずいたり、目を輝かしたりという「良い聴き手」を配して、その人のために話すと、響くメッセージが伝えられる。それが難しい場合は、自然に笑顔になれるメッセージや写真などをカメラの向こうやモニターにおいてもよい。「伝えたくなる環境」を整えるだけで、声のトーンや明瞭さなどがだいぶ変わる。
最後に小さなポイントを1つ。文の終わりに向かって、トーンを下げないよう注意しよう。「です。」「ます。」などで終わる場合は下がりにくいが、「でした。」「ました。」などは、段々に下がる人がかなりいる。下がると印象が暗くなるだけでなく、口の中でモゴモゴと呟くような発音になりやすい。句点(。)に向かってトーンをあげていくことを意識して話そう。
(公開日:2020年8月11日)
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