オンラインの対話では、お互いの細かい雰囲気や複雑な個性を読み取るのが難しい。その人の第一印象が強調されてしまい、対話の中で修正していくことも困難だ。
一方、画面のなかの顔とほぼ常に向き合った状態で対話をするため、お互いに「わかってくれようとしている」「伝わっているはず」という期待も高くなりがちだ。
しっかり顔を見合わせているのだから、私のことをわかってくれるという期待と、実際は雰囲気があまり伝わっていない(アイコンタクトが取れているように感じる場合は、むしろカメラ目線で、相手を見ていないことも多い)という実情とのギャップが大きい。
結果として、「質問の展開の方向性が途中で見えなくなった」、「最後の方で、この面接官は、私のことをわかってくれないなと不信感がでてきた」というネガティブな印象を、学生に与えやすい。
これを回避するには、少し大袈裟なくらい声や顔に表情をつけることだ。いつもより多めに、ゆっくりはっきり(深くなくてもよい)うなずく。意識的に笑顔を見せる。「それは、大変でしたね」「面白い研究内容ですね!」など、普段よりまめに合いの手を入れるようにする。声のトーンを若干高めにし、語尾を下げないようにする。
こうした工夫が「聴いてもらっている」「関心を抱いてくれた」という印象を与え、入社意欲に繋がる。
小さな工夫の積み重ねだが、実践すると学生の雰囲気や表情が変わっていくのが、よくわかる。「この人と働きたい」と感じさせる面接を、実践したい。
(公開日:2020年7月7日)
〉〉〉つづきはこちら