2023年3月卒業予定者の採用・就職に関するアンケート
就職先の最終的な決め手は、成長ができそうだから、仕事が楽しそうだから等。福利厚生の充実度等にも関心を寄せる。
2023.04.14 発表
人事労務分野の情報機関である産労総合研究所(代表・平盛之)は、このたび大学新卒予定者、大学キャリアセンター、採用・就職支援者、企業担当者を対象にした「2023年3月卒業予定者の採用・就職に関するアンケート」を実施しましたので、結果の概要を発表します。調査の詳細結果は、当所発行の『人事の地図』6月号(6月1日発行)に掲載予定です。
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主なポイント
(1)採用活動で使用したツール・役立ったツール
- 2023年3月卒業予定者採用において、企業が使用し役立ったツールは、就職ナビサイト(75%)、自社サイト(62%)、大学キャリアセンター(40%)、自社SNS・動画(18%)等。自社SNS・動画の活用頻度が増加傾向にある(図表1)。
(2)悪質な就活塾や就職エージェントへの対策
- 昨今、金銭目当てや虚偽の情報を提供する悪質な就活塾や就職エージェントが増えており、本調査の自由回答でも憂慮する声が見られた。大学の対策状況を見ると、半数の大学で「している」と答えている(図表3)。
(3)2023年度新卒者の傾向(特徴)
- 入社後、副業することについてどう考えているかを聞いたところ、したいと考えている(27%)、したいとは考えていない(73%)だった(図表4)。
- 就職先の最終的な決め手は、成長ができそうだから(17%)が最も多く、次いで仕事が楽しそうだから(15%)、自分の能力、個性が活かせそうだから(12%)(図表5)。複数回答可の集計では福利厚生が充実しているからも比較的多かった(図表6)。
- 2023年3月卒業予定者の就職活動や進路選択に関わるなかで、大学キャリアセンター、企業担当者、採用・就職支援者が、例年と比較して感じた特徴としては、就職活動への取組みが二極化したこと、配属や社風、職場の雰囲気に関心のある学生が増えたこと等があげられる(図表7)。
調査要領
調査名 | 2023年3月卒業予定者の採用・就職に関するアンケート |
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調査機関 | 産労総合研究所 |
調査対象 | 「ブンナビ×読売新聞2023」対象会員約100,000人、大学キャリアセンター約160校、就職・採用支援者約15人、企業担当者約200人。 |
調査時期 | 2023年2月8日〜3月24日 |
調査方法 | 郵送及びWEBによるアンケート調査方式(WEBによる回答についてはREASを使用) |
回答状況 | 締切日までに回答のあった新卒予定者220人、大学キャリアセンター102校、就職・採用支援者15人、企業38社について集計。 |
調査結果の概要
(1)採用・就職活動のサポート状況
[1] 採用活動で使用したツール・役立ったツール(企業調査)
2023年3月卒業予定者向けの採用活動において、企業が就職活動中に活用したツールのうち、役立ったものは、割合の多い順に(複数回答)、就職ナビサイト(75%)、自社サイト(62%)、大学キャリアセンター(40%)、自社SNS・動画(18%)となっている(図表1)。
就職ナビサイト、自社サイト、大学キャリアセンターについては昨年に引き続き効果的であったが、自社SNS・動画も活用頻度が増加し、それに伴ってか、効果の方でも手ごたえが出てきているようだ。
図表1 採用・就職活動で役立ったツール(役立ったツールの割合の高い順に表示。活用したツールは複数回答)
(注)上記以外の選択肢として、「SNS」「OBOGアプリ」「その他」をあげて調査。
[2] 就職活動中にアドバイスを得た相手(学生調査)
2023年3月卒業予定者が就職活動中にアドバイスや情報を得た相手は(複数回答)、友人と大学キャリアセンター(52%)が最も多い。頼りになった相手でも、大学キャリアセンター(26%)、友人(24%)が上位だ。なお、就活エージェントは約3割がアドバイスを得て1割強が頼りになったと回答しており、アドバイスの相手として、オンライン動画上の人(youtuber等)(24%)も5位につけた(図表2)。
図表2 採用・就職活動でアドバイスを得た相手(頼りになった相手上位6位を表示。複数回答)
(注)上記以外の選択肢として、「兄弟」「親戚」「知人」「民間のアドバイザー」「ハローワーク」「就職塾」「サイトやSNSでつながった人」「その他」「特にいない」をあげて調査。
[3] 悪質な就活塾や就職エージェントへの対策(大学調査)
昨今、金銭目当てや虚偽の情報を提供する悪質な就活塾や就職エージェントが増えており、本調査の自由回答でも憂慮する声が見られた。大学の対策状況を見ると、半数の大学で「している」と答えている(図表3)。
図表3 悪質な就活塾や就職エージェントへの対策
(2)2023年度新卒者の傾向(特徴)
[1] 副業に対する考え方(学生調査)
2023年3月卒業予定者で就職を予定している人に、入社後、副業することについてどう考えているかを聞いたところ、したいと考えている(27%)、したいとは考えていない(73%)だった(図表4)。
図表4 入社後の勤続予定
[2] 就職先の最終的な決め手(学生調査)
2023年3月卒業予定者が最終的に就職先を選んだ決め手は、成長ができそうだから(17%)が最も多く、次いで仕事が楽しそうだから(15%)、自分の能力、個性が活かせそうだから(12%)となっている(図表5)。
図表5 最終的な就職先の決め手(最も重視したもの1つを選択)
図表6 最終的な就職先の決め手(複数回答)
(注)上記以外の選択肢として、「知名度が高いから」「休日が多いから」「職場が楽しそう(おもしろそう)だから」「残業が少ないから」「テレワーク等、柔軟に働けるから」「自分のことをより理解してくれたから」「両立支援(育児支援策)が充実しているから」「知り合い(家族を含む)から薦められたから」「知り合いが勤務しているから」「その他」をあげて調査。
[3] 進路相談や進路選択に関わるなかで感じた特徴(傾向)
図表7 就職活動や進路選択に関わるなかで感じた特徴(傾向)
(注)1.大学キャリアセンター、企業の採用担当者、就職・採用支援者の回答の合計。
(注)2.回答0の項目はグラフから省いている。また小数点以下四捨五入のため、合計が100%にならない場合がある。
(注)3.「就職活動に取り組む姿勢が全体で二極化」については、左から「顕著である」「ややみられる」「どちらともいえない」「ほとんどみられない」「みられない」の形で尋ねている。
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※詳細データは『人事の地図』6月号(6月1日発行)に掲載を予定しています。
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株式会社産労総合研究所 「新社会人の採用・育成研究会」事務局 担当:黒田、境野、片上、重山
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