面接官が陥りやすい傾向
面接官が陥りやすい傾向を理解することで、適切な採否の判断ができます。面接は人が判断するので、面接官の個性や考え方で採否の判断が異なるケースがありますが、陥りやすい傾向を理解していれば、面接時に意識をすることで、判断ミスを防ぐことができます。
ハロー効果
学歴や前職の企業が優れていると、全ての点が優れていると判断してしまう傾向があります。優秀な人材を見極める要因として、出身大学や前職の企業名も判断材料になりますが、これまでの経験を通じて、現在何ができるか、自社でどのような貢献ができるか見極めなければ、誤った判断をしてしまいます。一点が優れていると全てが良く見えてしまう傾向だけでなく、一点に問題があると全てが悪いと判断してしまうことは避けなければいけません。
中心化傾向
評価が中心的な位置に集中してしまい可もなく不可もなく「普通」と判断してしまう傾向です。1次面接の面接官に多く、採否の判断は次の面接官に任せればいいと考え、取り合えず2次面接に進んでもらう状況が発生します。
対比誤差
客観的な判断ではなく、直前に面接をした応募者の影響が強く対比してその後の応募者を判断してしまう傾向です。直前の応募者が優れていれば、次の応募者の能力を過小評価し誤った判断をしてしまいます。面接官の感覚で判断をしてしまう傾向があり、面接官の特性と異なる人材を低く、あるいは高く評価してしまう傾向もあります。
寛大化傾向
職務と関連しない話で盛り上がると甘い評価をつけてしまう傾向があります。趣味や休日で盛り上がっても見極める本質がぶれてしまえば、人がいいが使えない人材として、配属部署からクレームがきます。気持を和らげるために職務と関連しない話も必要ですが、実務能力についてきちんと見極めることが必要です。
熱意評価傾向
応募者が自社への思いが強いことは一定の評価をすべきですが、思い込みが強いと、入社後実態との相違に戸惑い退職してしまいます。思い込みが空回りしないためにも、熱意や意欲だけで判断せず、実態をきちんと説明し理解したうえで入社させるようにしなければいけません。
書籍紹介
自社で活躍する良い人材を採用することは、企業経営の根幹を担う業務です。採用がうまくいかなければ、短期的には経費と時間のロスが発生し、長期的に見ると企業経営を継続発展していくことができません。本書は、良い人材を見抜くために、採用担当者が理解しておかなければならないことや面接手法など、あらゆる角度から応募者を見極める方法を解説しています。
■谷所健一郎・著
■四六判/202頁
■本体価格 1,600円(税別)
■ISBN978-4-86326-168-6 C2034
■発行日 2014年2月