2024年3月卒業予定者の採用・就職に関するアンケート
就職先の最終的な決め手は、成⾧ができそうだから、自分の能力、個性が活かせそうだから、希望の勤務地で働けそうだから。
2024.04.22 発表
人事労務分野の情報機関である産労総合研究所(代表・平盛之)は、このたび大学新卒予定者、大学キャリアセンター、採用・就職支援者、企業担当者を対象にした「2024年3月卒業予定者の採用・就職に関するアンケート」を実施しましたので、結果の概要を発表します。調査の詳細結果は、当所発行の『人事の地図』6月号(6月1日発行)に掲載予定です。
印刷用PDFのダウンロード
主なポイント
(1)インターンシップの運用ルールに関する把握状況
- 整理されたインターンシップの運用ルールについての把握状況は、約半数の企業が「具体的な内容まで把握している」(47%)と回答。その一方で、ルールが整理されたことは知りつつも「具体的な内容についてはいくつか把握していなかった」企業も34%あった(図表1)
(2)就職講座で人気のあった講座
- 大学のキャリアセンターが提供した就職講座で、24卒の学生に人気の高かったものは「就活全般の解説や対策」(67%)、「書類選考対策(エントリーシート、作文等)」(64%)、「面接の対策」(59%)など(図表3)。
(3)2024年度新卒者の傾向(特徴)
- 入社予定先で何年くらい働くつもりかを尋ねたところ、「できるだけ長く」(47%)が最も多く、次いで、 「考えていない・現時点ではわからない」(18%)、「2~3年」(13%)と続く(図表4)。
- 就職先の最終的な決め手のトップ3は、「成長ができそうだから」(22%)、「自分の能力、個性が活かせそうだから」(18%)、「希望の勤務地で働けそうだから」(9%)(図表5)。
- 2024年3月卒業予定者の就職活動や進路選択に関わるなかで、企業担当者、大学キャリアセンター、採用・就職支援者が、例年と比較して感じた特徴としては、就職活動への取組みが二極化したこと、社風や職場の雰囲気、配属(職種、勤務地)に関心のある学生が増えたこと等があげられる(図表7)。
調査要領
調査名 | 2024年3月卒業予定者の採用・就職に関するアンケート |
---|---|
調査機関 | 産労総合研究所 |
調査対象 | 「ブンナビ×読売新聞2024」対象会員約100,000人、大学キャリアセンター約160校、就職・採用支援者約15人、企業担当者約200人。 |
調査時期 | 2023年12月1日~2024年3月15日 |
調査方法 | 郵送及びWEBによるアンケート調査方式(WEBによる回答についてはREASを使用) |
回答状況 | 締切日までに回答のあった新卒予定者180人、大学キャリアセンター97校、就職・採用支援者12人、企業71社について集計。 |
調査結果の概要
(1)採用・就職活動の状況
[1] インターンシップの運用ルールに関する把握状況(企業調査)
インターンシップが「オープン・カンパニー」「キャリア教育」「汎用的能力・専門活用型」「高度専門型」の4類型に分類され、このうち「汎用的能力・専門活用型」のみが採用活動に活用できるようになった。こうしたインターンシップの運用ルールについてどの程度把握しているかたずねたところ、約半数の企業は「具体的な内容まで把握している」(47%)と回答。一方で、ルールが整理されたことは知りつつも「具体的な内容についてはいくつか把握していなかった」企業も34%あった(図表1)。
図表1 インターンシップの運用ルールに関する把握状況
[2] 就職活動中にアドバイスを得た相手(学生調査)
2024年3月卒業予定者が就職活動中にアドバイスや情報を得た相手は(複数回答)、「親」(51%)が最も多く、次いで「大学キャリアセンター」(50%)、「友人」(39%)と続く。頼りになった相手でも、大学キャリアセンター(28%)、親(27%)は上位にあり、今回調査では、昨年アドバイスで1位、頼りになったで2位となった「友人」を「親」が抜いた結果となった。就活において親の存在が大きくなっていることがうかがえる(図表2)。
図表2 採用・就職活動でアドバイスを得た相手(頼りになった相手上位6位を表示。複数回答)
(注)上記以外の選択肢として、「兄弟」「親戚」「知人」「卒業生」「教員」「ハローワーク」「民間のアドバイザー」「就職塾」「オンライン動画(YouTube等)の配信者」「サイトやSNSでつながった人」「その他」をあげて調査。
[3] 就職講座で人気のあった講座(大学調査)
大学のキャリアセンターでは就職活動生に対してさまざまな就職講座を用意しているが、24卒の学生に最も人気の高かったものは「就活全般の解説や対策」(67%)で、次いで「書類選考対策(エントリーシート、作文等)」(64%)、「面接の対策」(59%)が続く(図表3)。
図表3 就職講座で人気のあった講座(上位7位まで表示、複数回答)
(注)上記以外の選択肢として、「企業・自治体等の採用担当者による講演・対談」「試験対策(適性テスト等)」「マナー講座」「就職情報サイトのエントリー・利用方法解説」「その他」をあげて調査。
(2)2024年度新卒者の傾向(特徴)
[1] 入社後の勤続予定(学生調査)
2024年3月卒業予定者で就職を予定している人に、入社予定先で何年くらい勤続して働く予定かを聞いたところ、最も多かったのは、「できるだけ長く」(47%)、次いで、「考えていない・現時点ではわからない」(18%)、「2~3年」(13%) となっている(図表4)。
図表4 入社後の勤続予定
[2] 就職先の最終的な決め手(学生調査)
2024年3月卒業予定者が最終的に就職先を選んだ決め手は、「成長ができそうだから」(22%)が最も多く、次いで「自分の能力、個性が活かせそうだから」(18%)、「希望の勤務地で働けそうだから」(9%)となっている(図表5)。
図表5 最終的な就職先の決め手(最も重視したもの1つを選択)
図表6 最終的な就職先の決め手(複数回答)
[3] 進路相談や進路選択に関わるなかで感じた学生の特徴(傾向)
図表7 就職活動や進路選択に関わるなかで感じた特徴(傾向)
(注)1.大学キャリアセンター、企業の採用担当者、就職・採用支援者の回答の合計。
(注)2.回答0の項目はグラフから省いている。また小数点以下四捨五入のため、合計が100%にならない場合がある。
(注)3.「就職活動に取り組む姿勢が全体で二極化」については、左から「顕著である」「ややみられる」「どちらともいえない」「ほとんどみられない」「みられない」の形で尋ねている。
印刷用PDFのダウンロード
※詳細データは『人事の地図』6月号(6月1日発行)に掲載を予定しています。
本リリースに関する取材などのお問い合わせ
株式会社産労総合研究所 「新社会人の採用・育成研究会」事務局 担当:黒田、片上、境野
TEL 03(5860)9793 MAIL freshers@sanro.co.jp