2024年度(令和6年度)新入社員のタイプ
自分の未来は自分で築く!「セレクト上手な新NISAタイプ」
2024.03.28 発表
人事労務分野の情報機関である産労総合研究所(代表・平盛之)は、このたび「2024年度(令和6年度)新入社員のタイプ」を発表しました。これは、企業の人事担当者、大学のキャリアセンター担当者等から成る「新社会人の採用・育成研究会」が、当所調査の「2024年3月卒業予定者の採用・就職に関するアンケート」(調査結果は当所定期刊行誌『人事の地図』6月号に掲載予定)や採用・就職支援活動等を踏まえて、今年の新入社員の特徴と育成のヒントをまとめたものです。
昨年のタイプ(可能性は∞(無限大)AIチャットボットタイプ)については、こちらをご参照ください。
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新入社員のタイプ
今年の新入社員は、デジタルに慣れ親しんでいる一方で、対面コミュニケーションの経験に乏しく、「仲間」以外の世代との距離感に戸惑う面がある。また、タイパを重視し、唯一の正解を求める傾向が年々増している。しかし、これらは言い換えれば、目標をはっきりと見定め、集中して向かっていく熱意と、効率を重視し最適解を実行する振る舞いに長けているということでもある。
目標とする未来が定まれば、彼らは自分なりに情報を集め、「セレクト」して歩き始める。今までにない可能性を内包したその歩みは、2024年の制度変更で選択の幅が広がった新NISAと重なる。コツコツ積み立てて業務を学んでいくのか(つみたて投資枠)、あるいはアグレッシブにチャレンジするのか(成長投資枠)。彼らの選択を尊重しつつ、いかにサポートし、導いていくかが問われていく。
【2024年度新入社員の就職活動の特徴と今後の育成のヒント】
◆2023年5月、新型コロナウイルス(COVID-19)の位置づけが「5類感染症」に移行したが、この春、大学を卒業した新入社員たちは、入学当初からオンラインで授業を受けていた世代だ。SNSの発展・浸透もあり、よりネイティブにデジタルやオンラインツールを駆使するが、半面、キャリアセンターや先輩とのつながりや、同期間での結びつきは薄い傾向にある。
◆就職活動においては、オンラインを併用して選考を行うが、面接(特に最終面接)については対面重視という形が定着しつつある。
採用側としては、志望者がしっかりと目的意識を持っていることや、目標へ向かう真摯な姿勢を評価する一方で、受け身・与えてもらうという姿勢の強まりや、対面コミュニケーション経験の不足を感じている様子が窺えた。学生側も、自身のキャリア感や望む成長、学びの方向性を率直に伝えたり、事業と社会との関わり方について質問するなど、働くことの意義への意識が強くなっている。一方で、自分が「失敗しない」ために失敗した事例の情報を求めたりと、正解や完璧さにこだわる様子も浮かび上がった。
◆就職内定状況の数値をみると、91.6% (厚生労働省、2024年2月1日現在)となっており、前年同期を0.7ポイント上回った。就職活動の開始時期はますます二極化しており、早期から活発に動き内定を得る学生と、動き出しが遅い学生とが顕著に分かれた。売り手市場は今後も続きそうだが、2025年卒採用からはインターンシップの類型整理が適用されるため、さらなる変化もあり得る。
◆入社後については、就職活動中から自分なりのキャリアビジョンを定めていたり、「どのような社会貢献ができる会社なのか」を吟味してから入社するなど、すでに自分なりのビジョンがある程度確立している新入社員が多い。そうした状況もあり、「イメージしていた仕事や社風、社会人像とは違った!」というギャップを受ける傾向が、さらに強まりつつある。
受け入れ側の先輩社員たちは、一方的に指示を出すのではなく、彼らなりの価値観があることをまず理解し、受容する必要がある。その上で、彼らの理想と現実のギャップをどのように埋めていくべきかを考え、いかに具体的な目標や日々の学びに落とし込んで本人に伝えるかという、対話と指示のプロセスがますます重要になるだろう。
◆いわゆるタイパを重視する傾向、正解や最適解を求める傾向は、物事に対して自分なりの理解と納得ができれば、熱意やエネルギーを集中して注ぐことができる裏返しともいえる。業務の必要性をしっかりと伝え、どういう選択をしたいかを本人に問いかけることと、ある程度の枠を設定しながらも(積み立て・成長)、そのなかで裁量や自由さを与え、自律性を育む目線が求められるだろう。その際には、新入社員側と先輩社員や会社側のスタンスや思いをきちんと共有し、目標をすり合わせていくことが大切だ。
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株式会社産労総合研究所 「新社会人の採用・育成研究会」事務局 担当:黒田、境野、片上
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