2021年3月卒業予定者の採用・就職に関するアンケート
就職活動で困ったときは、親、大学キャリアセンターに相談。
就職活動への取組み二極化傾向は、さらに強まる。
2021.03.31 発表
人事労務分野の情報機関である産労総合研究所(代表・平盛之)は、このたび大学新卒予定者、大学キャリアセンター、採用・就職支援者、企業担当者を対象にした「2021年3月卒業予定者の採用・就職に関するアンケート」を実施しましたので、結果の概要を発表します。調査の詳細結果は、当所発行の『人事実務』5月号(5月1日発行)に掲載予定です。
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主なポイント
(1)オンラインで実施された採用・就職活動
- 学生が体験した採用・就職のイベントのうち、オンラインで実施されたのは、会社説明会(84%)、一次 面接(80%)が多く、最終面接でも48%、内定式でも42%だった(図表1)。
(2)就職活動中に困ったときに、アドバイスを得た相手
- 2021年3月卒業予定者が、就職活動中に迷ったときや困ったときにアドバイスや情報を得たのは(複数回答)、1位は親(57%)、2位は大学キャリアセンター(50%)、3位は友人(46%)となった。就活エージェントは33%であった(図表4)。
(3)進路・就職の把握状況
- 2021年2月末現在、大学における2021年3月卒業予定者の進路・就職の把握状況をみると、昨年同時期と比べ把握できていない大学は47%となっている(図表6)。
(4)2021年度新卒者の特徴
- 2021年3月卒業予定者の就職活動や進路選択に関わるなかで、大学キャリアセンター、企業担当者、採用・就職支援者が、例年と比較して感じた特徴としては、就職活動を楽観視する学生が減少したこと、就職活動への取組みが二極化したこと、経営への新型コロナウイルスの影響を気にする学生が増えたこと、採用選考段階での新型コロナウイルス感染防止対策などを気にする学生が増えたこと等が挙げられる(図表7)。
調査要領
調査名 | 2021年3月卒業予定者の採用・就職に関するアンケート |
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調査機関 | 産労総合研究所 |
調査対象 | 「ブンナビ2021」対象会員約100,000人、大学キャリアセンター約300校、就職・採用支援者約10人、企業担当者約300人。 |
調査時期 | 2021年2月22日~3月22日 |
調査方法 | 郵送及びWEBによるアンケート調査方式(WEBによる回答についてはREASを使用) |
回答状況 | 締切日までに回答のあった新卒予定者107人、大学キャリアセンター111校、就職・採用支援者4人、企業36社について集計。 |
調査結果の概要
(1)採用・就職活動の状況、支援状況
[1] オンラインで実施された採用・就職活動(学生調査)
2021年3月卒業予定者の就職活動では、新型コロナウイルス感染拡大に伴って、2020年2月頃より、就職イベント、選考が中止・延期となり、オンラインでの選考に切り替える企業が増加した。学生が体験した採用・就職のイベントのうち、オンラインで実施されたのは、会社説明会(84%)、一次面接(80%)が多く、最終面接でも48%、内定式でも42%となっている(図表1)。
図表1 オンラインで実施された採用・就職活動(複数回答)
[2] オンライン面接試験等に対する大学キャリアセンターの支援(大学調査)
オンラインによる面接試験は、学生にとっても予期せぬ出来事だった。これに対して大学キャリアセンターが行った支援内容をみると、個別相談・個別指導(95%)、オンライン面接対策の情報提供(83%)、オンライン面接対策講座・セミナーの実施(78%)が多くなっている。面接会場の貸出し・斡旋(69%)、通信機器の貸与(42%)、通信機器・通信環境整備のための経済的援助(26%)といった、経済的な支援を行った大学も少なくない(図表2)。
図表2 オンライン面接試験等に対する大学キャリアセンターの支援(複数回答)
[3] 大学の就職活動支援におけるオンラインと対面の割合(大学調査)
大学で行った就職活動支援のうち(2020年4月~2021年2月)、オンライン(インターネットに接続して行うコミュニケーション。メール、チャット等を含む)と対面の割合を聞いたところ、就職セミナー・講座は、すべてオンラインは45%、オンラインのほうが対面より多いのは38%で、オンラインによって多く行われた様子がうかがえる。学内企業説明会も、すべてオンラインは50%、オンラインのほうが対面より 多いは29%となっており、同じような傾向がみられる。相談・個別指導については、すべてオンラインは7%と少なく、就職セミナー・講座、学内企業説明会と比べると、より多く対面によって行われたようだ(図表3)。
図表3 大学の就職活動支援におけるオンラインと対面の割合
[4] 就職活動中の支援・サポートを受けた相手(学生調査)
2021年3月卒業予定者に、就職活動中に迷ったときや困ったときに、誰からアドバイスや情報を得たかを聞いたところ(複数回答)、1位は親(57%)、2位は大学キャリアセンター(50%)、3位は友人(46%)となった。このところ活用が増えているという就活エージェントは33%であった(図表4)。
図表4 就職活動中にアドバイスや情報を得た相手(複数回答)
[5] 就職先を選ぶときに重視したこと(学生調査)
2021年3月卒業予定者に、就職先を選ぶときに重視したことについて聞いたところ、1位は、自分の能力、個性が生かせるから(36%)、2位は、仕事がおもしろいから(23%)、3位は、会社の将来を考えて(15%)となった(図表5)。
また、就職先候補を検討する際、新型コロナウイルス感染拡大の影響、対応などについて考慮したかどうかを聞いたところ(複数回答)、経営へのダメージが少なそうな企業を選んだのは42%、就活生への感染拡大防止の対策を十分に行っている企業を選んだのは28%となった。
図表5 就職先を選ぶときに重視したこと
[6] 大学における2021年3月卒業予定者の進路・就職の把握状況(2021年2月末現在)(大学調査)
2021年2月末現在、大学における2021年3月卒業予定者の進路・就職の把握状況は、昨年同時期とほぼ同じ大学は40%で、昨年の同時期より把握できていない大学は47%となっている。新型コロナウイルス感染拡大防止のための構内立入り制限の影響とみられる(図表6)。
図表6 大学における2021年3月卒業予定者の進路・就職の把握状況
(2)新卒者の特徴(傾向)
図表7 就職活動や進路選択に関わるなかで感じた特徴(傾向)
(注)
1.大学キャリアセンター、企業の採用担当者、就職・採用支援者の回答の合計。
2.※については、就職活動への取組みの二極化について聞いたもの。グラフの項目は、左から「顕著である」「ややみられる」「どちらともいえない」「ほとんどみられない」「みられない」。
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※詳細データは「人事実務」2021年5月号(5月1日発行)に掲載を予定しています。
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