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2020年3月卒業予定者の採用・就職に関するアンケート

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2020年3月卒業予定者の採用・就職に関するアンケート

インターンシップが就職活動に役立ったのは8割。
残業時間、ワークライフバランス、福利厚生重視の傾向。

2020.04.14 発表

 人事労務分野の情報機関である産労総合研究所(代表・平盛之)は、このたび大学新卒予定者、大学キャリアセンター、採用・就職支援者、企業担当者を対象にした「2020年3月卒業予定者の採用・就職に関するアンケート」を実施しましたので、結果の概要を発表します。調査の詳細結果は、当所発行の『人事実務』5月号(5月1日発行)に掲載予定です。

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主なポイント

(1)企業の採用方法・時期

  • 2020年3月卒業予定者のさまざまな採用方法・時期をみると、通年採用は47%、秋採用は14%、エージェント利用は15%、リファラル採用、インターン採用はともに11%であった(図表2)。

(2)インターンシップと採用

  • インターンシップを実施した企業において、インターンシップと採用活動は全く切り離している企業は13%、インターンシップ参加学生には、何らかの優遇措置を与えている企業は27%、インターンシップを通じて得た情報を採用選考で参考にすることがある企業は61%となっている(図表4)。

(3)入社後の教育

  • 2020年3月卒業予定者で就職先が決定している人のうち、内定後に、就職予定先から入社後の教育について、説明を受けてよくわかったのは56%、説明を受けたがよくわからなかったのは22%、説明を受けていないが19%、覚えていないのは2%であった。
  • 2020年3月卒業予定者に、「あなたは、成長するため多少無理をしても頑張ることについてどう思いますか」と訊いたところ、当然のことだと思うが23%、意味を感じれば平気であるが34%、「多少無理」の内容・程度次第であるが32%、できれば無理はしたくないが11%であった。(図表6)。

(4)2020年度新卒者の特徴

  • 就職活動における2020年3月卒業予定者について、大学キャリアセンター、企業担当者、採用・就職支援者、2020年3月卒業予定者が感じた特徴としては、ワークライフバランスを重視する、福利厚生にこだわる、残業の多さを気にする人が例年よりも多いなどが挙げられる(図表7)。

調査要領

調査名 2020年3月卒業予定者の採用・就職に関するアンケート
調査機関 産労総合研究所
調査対象 「ブンナビ2020」対象会員 約100,000人、大学キャリアセンター約300校、就職・採用支援者約30人、企業担当者約3,200人。
調査時期 2019年11~12月(企業調査の一部)、2020年2月4日~2月28日
調査方法 郵送及びWEBによるアンケート調査方式(WEBによる回答についてはREASを使用)
回答状況 締切日までに回答のあった新卒予定者95人、大学キャリアセンター120校、就職・採用支援者11人、企業273社について集計。

調査結果の概要

(1)採用・就職活動の状況

[1] 大学におけるキャリア教育のスタート

 2011年度に大学でのキャリア教育が義務化されて約10年が経過した。1年次におけるキャリア教育について訊いたところ、1年次に必修のプログラムがある大学は37%、1年次から選択・参加できるプログラムがある大学は65%となっている。また、1年次にはキャリア教育は行わない大学は3%となっている(図表1)。

 
図表1 1年次におけるキャリア教育の実施状況(複数回答)

グラフ

 

[2] 企業の採用方法・時期

 企業の大学新卒採用は、卒業1年前の春先から本格的な採用活動を始め、秋前あるいは予定人数を確保次第採用活動終了という流れが、このところ一般的である。しかし、このところ、そうした採用活動と並行して、あるいは、それを行わず、採用時期や募集時期を変えたり、採用経路を変える動きが増加している。
 2020年3月卒業予定者に対して採用活動を行った企業のうち、通年採用(年間を通した応募受付)を行った企業は47%、秋採用は14%となっている。新しい動向として、エージェント採用は15%、インターン採用は11%となっており、今後も増加の兆しがみられる(図表2)。

 
図表2 企業の採用方法・時期(複数回答)

グラフ

 

(2)インターンシップの実施状況

[1] インターンシップの種類

 2020年3月卒業予定者(4年制)は、3年生の夏頃からインターンシップを体験し、その後本格的な就職活動に進む人が多かったようだ。インターンシップの重要性が高まってきているといえる。2020年3月卒業予定者の学生を対象にしたインターンシップを実施した企業は63%、実施していない企業は37%である。インターンシップとは、一般的には、学生の一定期間の就業体験であるが、日本では幅広くとらえられて実施されている。実施した企業のうち、説明会・見学タイプは64%、研修・ワークショップタイプは50%、就業(実務)体験は53%となっている(図表3)。

 
図表3 実施したインターンシップの種類(複数回答)

グラフ

 

[2] インターンシップと採用活動の考え方

 インターンシップを実施した企業において、インターンシップと採用活動をどのように考えているのかを訊いたところ、インターンシップと採用活動は全く切り離している企業は13%、インターンシップ参加学生には、何らかの優遇措置を与えている企業は27%、インターンシップを通じて得た情報を採用選考で参考にすることがある企業は61%、考え方をとくに決めていない企業は12%となっている(図表4)。

 
図表4 インターンシップと採用活動についての考え方(複数回答)

グラフ

 

[3] 学生の評価

 インターンシップをした2020年3月卒業予定者は86%で、そのうち、インターンシップが就職活動の役に立った(非常に役に立った+まあ役に立った)という学生は78%、役に立たなかった(あまり役に立たなかった+全く役に立たなかった)という学生は14%、どちらともいえないという学生は9%であった。

 

(3)入社後の教育等

[1] 入社後の教育への説明、一人前になる予想期間

 2020年3月卒業予定者で就職先が決まっている人に対し、内定後に入社後の教育について就職予定先から説明を受けたかどうかを訊いたところ、説明を受けてよくわかったのは56%、説明を受けたがよくわからなかったのは22%、説明を受けていないが19%、覚えていないのは2%であった。昨年調査と比べると、説明を受けていないとする割合が増加している。
 また、入社後、どのくらいの期間で一人前になれると予想しているかを訊いたところ、約半年以内(3カ月、約半年)が約1割、約1年が17%、約2年が15%、約3年が34%、わからないが22%となっている(図表5)。
 約4分の1が1年までの間、約4割が2年までの間には一人前になっていると考えていることがわかる。もっとも実際には、仕事の内容や「一人前」の各社の定義によっても異なるだろう。

 
図表5 一人前になれる期間の予想

グラフ

 

[2] 成長するために頑張ること

 入社後、厳しいことも予測される社会人生活だが、2020年3月卒業予定者は、どのように考えているのだろうか。「あなたは、成長するため多少無理をしても頑張ることについてどう思いますか」と訊いたところ、当然のことだと思うが23%、意味を感じれば平気であるが34%、「多少無理」の内容・程度次第であるが32%、できれば無理はしたくないが11%であった。(図表6)。

 
図表6 成長するために頑張ることについて

グラフ

 

(4)新卒者の特徴(傾向)

図表7 就職、働き方について感じた新卒者の特徴(傾向)

グラフ

(注) 1.大学キャリアセンター、企業の採用担当者、就職・採用支援者、2020年3月卒業予定者の回答の合計。ただし、*は2020年3月卒業予定者を含まない。
   2.※については、就職活動への取組みの二極化について訊いたもの。グラフの項目は、左から「目立つ」「やや目立つ」「どちらともいえない」「ほとんど見られない」「見られない」。

 

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※詳細データは「人事実務」2020年5月号(5月1日発行)に掲載しています。


 

本リリースに関する取材などのお問い合わせ

株式会社産労総合研究所 「新社会人の採用・育成研究会」事務局  担当:佐藤、白ヶ澤、酒井、重山
TEL 03(5860)9779   MAIL freshers@sanro.co.jp

※引用いただく際には、出典をご明記ください。

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