2018年度(平成30年度)新卒者の採用・就職と特徴に関する調査
就職活動では、仕事内容、勤務地・配属先、休日などを重視。
残業時間、福利厚生、自分の評価を気にする面も。
2018.03.30 発表
人事労務分野の情報機関である産労総合研究所(代表・平盛之)は、このたび新卒者、大学キャリアセンター、採用・就職支援者、企業担当者を対象にした「2018年度(平成30年度)新卒者の採用・就職と特徴に関する調査」を実施しましたので、結果の概要を発表します。調査の詳細結果は、当所発行の『人事実務』5月号(5月1日発行)に掲載しています。
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主なポイント
(1)採用・就職の際に重視した企業情報
- 2018年度新卒者の採用にあたり、企業またはキャリアセンターが重視して示した企業情報(複数回答)は、仕事内容80%、企業のミッション(目的、事業領域)56%、求める人材像55%などが多かった。
- 一方、2018年度新卒者が就職活動の際に重視した情報は、仕事内容83%、勤務地・配属先70%、休日58%などが多かった。
(2)就職活動の際、キャリアセンターへ期待したこと
- 2018年度新卒者が就職活動の際、キャリアセンターに期待したことは、就活全般のガイダンス49%、実践的な就活講座46%、多様な企業の情報提供33%、相談相手40%が多かった。
- 一方、期待どおりでなかったことは、実践的な就職講座、ビジネスマナー(社会人マナー)講座、多様な業界・企業・卒業生の情報提供、学業と両立できる体制づくり、経済的支援等で、いずれも約2割。
(3)2018年度新卒者の特徴
- 2018年度新卒者の特徴について、2018年度新卒者の見方と、大学キャリアセンターや就職支援者、企業担当者の見方とがほぼ一致したものは、残業時間を気にする、ワークライフバランスを重視する、福利厚生へのこだわりが強い、自分に対する他人からの評価を気にする、売り手市場であることの意識が強いなど。
- 大学キャリアセンターや就職支援者、企業担当者が特に感じた特徴は、親の影響が強い、地元志向が強い、海外志向が弱いなど。
調査要領
調査名 | 「2018年度(平成30年度)新卒者の採用・就職と特徴に関する調査」 |
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調査機関 | 産労総合研究所 |
調査対象 | 「ブンナビ!!2018」対象会員 約100,000人、大学キャリアセンター約200校、就職・採用支援者約30人、企業担当者約800人。 |
調査時期 | 2018年2月20日~3月10日 |
調査方法 | 郵送及びWEBによるアンケート調査方式 (WEBによる回答についてはREASを使用) |
回答状況 | 締切日までに回答のあった新卒予定者109人、大学キャリアセンター36校、就職・採用支援者13人、企業66社について集計。 |
調査結果の概要
(1)採用・就職の際に重視した企業情報
[1] 重視した企業情報
2018年度新卒者の採用や就職活動支援にあたり、企業またはキャリアセンターが重視して示した企業情報(複数回答)は、仕事内容80%、企業のミッション(目的、事業領域)56%、求める人材像55%などが多かった。一方、2018年度新卒者が就職活動の際に重視した情報は、仕事内容83%、勤務地・配属先70%、休日58%などが多かった。
企業またはキャリアセンターと2018年度新卒者との重視度の差が大きい項目をみると、企業またはキャリアセンターがより重視していたのは、若手社員の声、求める人材像、企業のミッション(目的、事業領域)である。一方、2018年度新卒者がより重視していたのは、勤務地・配属先、休日などであった(図表1)。
図表1 採用・就職活動の際に重視した企業情報(複数回答)
[2] 得られなかった企業情報
2018年度新卒者が就職活動の際に重視した情報のうち得られなかったのは、割合の多い順に、労働時間(残業時間)22%、役職者の声21%、中堅社員の声20%、職場の雰囲気19%、離職率18%などとなっている。
(2)就職活動の際、キャリアセンターへ期待したこと
2018年度新卒者が就職活動の際、キャリアセンターに期待したことは、割合の多い順に、就活全般のガイダンス49%、実践的な就活講座46%、多様な企業の情報提供40%、相談相手40%となっている。
期待どおりでなかったことは、実践的な就職講座、ビジネスマナー(社会人マナー)講座、多様な業界の情報提供、多様な企業の情報提供、多様な卒業生の情報提供、学業と両立できる体制づくり、経済的支援等で、いずれも約2割となっている(図表2)。
図表2 就職活動の際、キャリアセンターが期待どおりでなかったこと(複数回答)
(3)2018年度新卒者の特徴
[1] 残業時間、ワークライフバランス、福利厚生などを気にしている
2018年度新卒者の特徴について、新卒者には自分たちの学年をどのように感じるか、大学キャリアセンターや就職支援者、企業担当者には就職活動等を通してどのように感じたか、15項目について尋ねた。2018年度新卒者の見方と、大学キャリアセンターや就職支援者、企業担当者の見方とがほぼ一致した特徴は、残業時間を気にする、ワークライフバランスを重視する、福利厚生へのこだわりが強い、自分に対する他人からの評価を気にする、売り手市場であることの意識が強いなどである。(図表3、4、7)。
図表3 ワークライフバランスへの重視
(注)四捨五入の関係で、割合を合計しても100とならない場合がある。以下、図表7まで同じ。
図表4 自分に対する他人からの評価
[2] 親の影響が強い、興味の範囲が狭い、プレゼン能力が優れているとの感じ方も
2018年度新卒者はとりたててそう感じていないが、大学キャリアセンターや就職支援者、企業担当者が感じている特徴は、親の影響が強い、地元志向が強い、海外志向が弱いなどである(図表5、7)。
「興味の範囲」「出世意欲」「プレゼン能力」については、大学キャリアセンターや就職支援者、企業担当者の5割程度が、どちらともいえないとしているものの、残り4割は、興味の範囲が狭い、出世意欲が弱い、プレゼン能力が優れていると感じている(図表6、7)。
図表5 親の影響
図表6 興味の範囲
図表7 自分たちの学年の特徴(新卒者)及び採用活動等を通じて感じた新卒者の特徴
注1.「大学、企業等」とは、大学のキャリアセンター、就職・採用支援者、企業担当者の略。
注2.無回答は省略。
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※詳細データは「人事実務」2018年5月号(5月1日発行)に掲載しています。
この調査は人事実務2018年5月号(5月1日発行)に掲載しています。
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