氏名 | 太田 隆次 |
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所属 | 国際人事研究所 |
肩書き・役職 | 所長 |
専門分野 | 人材育成 経営管理 人事・賃金管理 労務管理 グローバル人材 |
- 問1
- 社会や経営環境の変化に伴い、組織と個人の関係が変わりつつあるいま、企業における人材育成のあり方やスタンスの置き方にも、大きく2つの考え方が現れています。以下の3つのテーマについて、どのように考えていますか。2つの選択肢うち、あなたの考えにより近いものに〇をつけ、その理由や考え方についてご記入ください。
- (1)
- 人材育成は「企業責任」か「個人責任」か――能力開発の主体・責任について
A 企業が責任をもって行うべきである
B 個人が自分の責任で行うべきである
【回答】
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【その理由や考え方についてご記入ください】
人口減少、経済規模縮小、グローバル化と先行き不透明なわが国の企業は、暗夜の荒天を航海する船にたとえられる。船という組織の長としてブリッジに立つ船長は、経験、目視、天体観測、レーダー観測などあらゆる手段を使って情報を把握し判断して適切な指示を刻々と航海士をはじめ船員すべてにトップダウンで与えねばならない。企業も現代は同様の環境にあり経営トップが船長として経営環境の変化を読み取り、企業の進路を決め、乗組員である社員個人に求める能力開発の方向性を指示する責任がある。穏やかな海を航海していた高度成長時代なら船員である個人の責任は明白であるが、暗夜の荒天で船底の火夫に進路の責任を問うことは本末転倒である。能力開発は、本来は個人の責任ではあるが、視界不良の昨今は経営トップがまず進路を示し、緊急避難として陣頭にたって人材育成を図るべきである。 |
- (2)
- 育成対象は「選抜重視」か「全体底上げ」か――育成対象者について
A 社員を選抜して育成するべきである
B 社員全体の底上げをはかるべきである
【回答】
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【その理由や考え方についてご記入ください】
人口減少で生産労働人口は大幅に減りつつある。グローバル競争に生き残るためには、減少し続ける生産労働人口から育成対象を選抜する余裕はなく、職種、職位を問わず人事資産を棚卸して全体としての企業人材競争力を少しでも底上げすべきである。 |
- (3)
- 育成の施策は「短期重視」か「中長期重視」か――育成施策の考え方について
A 変化に対応するため、なるべく短期的な成果を重視した育成施策を行うべきである
B 変化に関わらず、なるべく中長期的な成果を重視した育成施策を行うべきである
【回答】
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【その理由や考え方についてご記入ください】
人口減少と視界不良の激動の時代ではあるが、2030年まではある程度、予測可能である。成果は、人材力とプロセスの積み上げだから、激動の時代は、難路を夜間に走行する車に例えると、目先のみの照明で短期の成果を追うのでは、思わぬ障碍物に衝突する可能性が高い。照明を上向きにして中長期の成果を見通した育成施策を講じるべきである。暗夜の荒天を航海する船長も指示を刹那的でなくトップとしての見通しや情報も与えてこそ、末端の船員が希望と意欲が湧くように、中長期的な成果を重視すべきである。 |
- 問2
- 日ごろの指導等を通じて感じる、企業の人材開発部門が抱えている問題点は何でしょうか。該当すると思われるものを3つまで選択して○をつけ、そのうち最も重要と思われる項目について、お考えやコメントをご記入ください。
- 経営トップとの意思疎通が弱い
- ミッション・役割が不明確
- 部門の重要性が社内に認識されていない
- 人事部門との連携が不十分
- 現場の教育ニーズ把握が不十分
- 事業展開が速く、必要とされる能力要件に教育施策が追いついていない
- 前例踏襲型の研修になっている
- 外部研修機関頼りになっている
- 研修効果の測定が不十分
- 教育予算不足
- 業務が多忙である
- 人材開発スタッフ同士の情報共有・意見交換が不十分
- 人事異動が頻繁でスタッフの知識・経験が深まらない
- スタッフが現場の実情を理解していない
- スタッフの能力開発が不十分
- スタッフとして適性のある人が配置されていない
- 人材開発部門のノウハウの伝承がうまくいっていない
- その他()
【その理由や考え方についてご記入ください】
わが国の人材開発部門は伝統的に経営や現場感覚に疎く、現場から見ると超然としている傾向がある。一般的に、我が国の人材開発部門は教育訓練部と呼称され、新入社員教育や昇進者訓練など定例的な行事と教育訓練の消化をメインとしてきた。日常的に、経営の現場に飛び込み、ライン部門の実情を把握し、人材競争力の向上に繋げようとする使命感に欠けていた。 |
- 問3
- 人材開発が抱える課題は多岐にわたっていますが、以下の古くて新しい4つのテーマについて、どのような育成施策が最もふさわしいとお考えですか。
- (1)
- ミドル・マネジャー(管理者)の育成施策
- (2)
- 人材開発スタッフの育成施策
- (3)
- 研修ニーズの把握の仕方
- (4)
- 研修効果測定の考え方と方法
各テーマごとに、重要・効果的だと考える育成施策や方法を選択肢からそれぞれ3つまで選択して〇をつけ、その理由や考え方、具体的な方法等についてご記入ください。
(1)ミドル・マネジャー(管理者)の育成施策について(3つまで選択)
- 管理職研修(Off-JT)
- 自己啓発支援
- 国内留学
- 海外留学
- 海外研修
- ジョブローテーション
- 子会社・関連会社への出向
- 目標による管理(MBO)
- 社内公募・FA制度
- 自己申告制度
- ヒューマンアセスメント
- プロジェクトへの参加
- アクションラーニング
- 社外セミナー・講座への参加
- eラーニング
- 異業種交流研修
- 管理職任用前研修
- 経営幹部との定期懇談
- その他()
【その理由や考え方、具体的な方法等についてご記入ください】
ミドルマネージャとして経営センスを磨き企業業績への貢献を常に優先する人材開発マネージャを目指すため、この3つを選択した。 |
(2)人材開発スタッフの育成施策について(3つまで選択)
- 人材開発スタッフの能力要件の策定
- 人材開発スタッフの教育計画の作成
- OJT計画の作成・実施
- 外部研修機関のセミナー・講座受講
- 自己啓発への支援
- ジョブローテーション
- 人材開発部門への長期的な配置
- 資格取得の援助
- 異業種交流会への参加
- 目標による管理(MBO)
- 人材開発スタッフ同士での情報共有
- 現場との情報交換
- その他()
【その理由や考え方、具体的な方法等についてご記入ください】
人材開発スタッフの能力要件として、現場知識と経験の優先を明確にするため。 |
(3)研修ニーズの把握の仕方について(3つまで選択)
- 経営戦略上の要請に基づく人材開発計画
- 経営トップからの情報収集
- 人事部門との情報交換
- 現場の管理者からの情報収集
- 社員からの情報収集
- 顧客からの情報収集
- 外部講師・外部研修団体等からの情報収集
- 研修後のアンケート調査
- 従業員満足度調査
- 人材開発委員会など特別機関の設置
- その他()
【その理由や考え方、具体的な方法等についてご記入ください】
研修ニーズは、経営と現場と顧客の三点を直線で結ぶことから得られる。 |
(4)研修効果測定の考え方と方法について(3つまで選択)
- 研修の観察による把握
- 研修後のアンケート
- インタビュー(受講者、上司、研修講師)
- 理解度テストの実施
- 成果発表会
- 効果測定のためのフォロー研修
- 独自測定ツールの開発
- 既存測定ツール・メソッドの活用(具体的に:)
- 外部機関への委託
- その他()
【その理由や考え方、具体的な方法等についてご記入ください】
研修効果は、知識を教える個人研修なら理解度テスト、技能習得の個人研修なら実技、行動変革の個人研修なら観察、チーム活動のグループ研修なら目標達成度などが順次、積み上げられ、最終的には成果発表会や企業の目標数値の改善(PL、CSRなど)につながる。既存のものではなく独自の効果測定ツールを開発し、社員にフィードバックされる連続した仕組みとすべきである。 |
- 問4
- 今後、求められる人材開発スタッフ像とはどのようなものでしょうか。取り組み姿勢、意識や能力などについて、お考えやアドバイスをご記入ください。
・経営者とライン管理者に常に寄り添っている人材開発スタッフ |
- 問5
- あなたが企業の人材育成に関わるにあたって「大切にしていること」は何でしょうか。
・「社員は顧客である」と肝に銘じ、現場にこそ人材開発の宝が埋もれていると信じて行動する |